親鸞会
仏教講座
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これらでお分かりのように、仏法は徹底して万人の平等を教えていますが、決して差別を無視した悪平等でないことを弁えていなければなりません。
ある大会社の社長が1人の社員に、社長室へ来るように指示しました。
ところがその社員は
「用があるのならそちらから来るのが当然だ、民主主義の世界ではすべての人間は平等なのだ」
といって頑として応じませんでした。
社長は怒ったり呆れたりしながらも、これは大切な問題を含んでいることだと考えて、上司の会長に訴えました。
ことの重大性を認めた会長は、先ず社員に対して、
「君は会社の経営ができるか」と尋ねた。
「できません」 社員は答えた。
次に社長に向かって、
「君は社員の仕事ができるか」と尋ねると、
「やって来たことですからできます」とキッパリと答えました。
そこで会長は社員に向かって、
「基本的人権という点に於ては、人間は平等だが、その能力や経験などにはそれぞれ差別があるのだから、働く場所によって上下があるのは当然であるし、命令系統にも上下があるのは当たり前のことなのだ」
と諄々と諭して漸く納得したという話を聞いたことがあります。
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